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毒性物質作る植物性プランクトン 諏訪湖で15年ぶり検出

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 かつてアオコが大量発生した諏訪湖で、1990年代までしばしば確認されていた毒性物質を作る植物プランクトンの一種が15年ぶりに検出されたことが24日、分かった。信州大理学部の環境毒性学を専門とする朴虎東教授研究室と同大山岳科学総合研究所(諏訪市)が6月下旬に検出した。同研究室は、雨の降り方により一時的に発生条件がそろったとみている。  信大は30年以上、諏訪湖中心部の水質を定期的に調査。現在は2週間に1度のペースで調べている。6月下旬に採取した湖心の水から植物プランクトンのラン藻「ミクロキスティス」の一種で、毒性物質を作る「ビリディス」が見つかった。水から毒素も検出したが検出量はわずかだった。大量に摂取しない限り、人体などへの影響はないという。1カ月後の調査では検出しなかった。  朴教授によると、ビリディスは諏訪湖の湖面をアオコが覆うほど大量発生した時代に多く見られた。下水道の普及や官民共同の浄化活動もあり、アオコは1999年を境に激減した。  朴教授は、ことしの梅雨は雨が少なく、湖の水が滞留していたところに、田んぼに肥料をまく時期と降雨が重なって湖内の栄養塩濃度が高まった―と推測。その結果、ビリディスが検出されたとし、「諏訪湖にかつてほどの栄養分はなく、今後、増えることはないだろう」と話している。  同研究所の宮原裕一准教授は「ことしは風の強い日が多く、湖の低層の栄養分が上層に運ばれるなどアオコが発生しやすい状況」と説明。「諏訪湖はまだ変化の途上で不安定な状態。水草や水質にも変化が出る可能性があり、注意深く見ていきたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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