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酸素不足解消なるか 諏訪湖の湖底に気胞を供給する実験開始

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 夏の諏訪湖で、湖底の酸素が不足する「貧酸素」状態が続いているため、諏訪湖漁協(諏訪市渋崎)は微小な気泡「ナノバブル」を使って水中に酸素を供給する実験を始めた。現時点で目立った効果は確認できていないが、秋ごろまで続け、効果を検証。本格導入するかどうか決める。  実験には、機械部品など製造の「ナック」(岐阜市)が協力。岡谷市湊の諏訪湖沖約250メートルの湖底部に、直径20ナノメートル(1ナノは10億分の1)以下の微小な泡を発生させる長さ約1メートルの器具を計9本設置した。空気は湖岸の空気圧縮機からゴムチューブを通じて送っている。  微小な泡は水とほぼ比重が同じで、水中に長くとどまることができる。湖底のヘドロに酸素が供給されれば、バクテリアが活発に働いてヘドロの有機物を分解。同漁協は、湖底が浄化され、バクテリアが消費する酸素量が減る―と期待する。  実験は6月中旬に始め、同漁協が毎週、装置の周辺7カ所で水中の酸素量を計測している。これまでの数値はばらつきがあり、装置を設けた場所と他の場所で目立った差は確認できていない。  同漁協によると、湖底の貧酸素状態は、温かく常に酸素が供給される湖面の水と、冷たい湖底の水が分離することで発生。漁獲量の減少にもつながっている、としている。同漁協組合長の藤森貫治さん(69)は「もうしばらく実験を続け、効果が出れば次の段階の取り組みを考えたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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