飯田市下久堅地区の住民有志でつくる「ひさかた和紙の会」は、地元産の和紙を使った「ひさかたのお便りセット」を作った。かつては地区内で盛んだった和紙作りを多くの人に知ってもらうことで、伝統継承の機運が高まることも期待している。 セットは、和紙を用いたはがき6枚と市販の50円切手10枚。和紙の原料となるコウゾと、のりの役割をする植物トロロアオイは、市下久堅小学校の児童が同校近くで栽培した。同会が市下久堅公民館にある作業所で和紙のはがきを完成させた。 同会代表の小池博さん(53)は「地域の伝統を見直すきっかけにしたい。子どもや住民らと協力しながら取り組みを広げたい」と話す。郵送されたはがきを受け取った人にも、下久堅の和紙が広がるよう期待している。 和紙作りが盛んだった昭和初期には、地区内の約7割の家で生産していた。現在は伝統を受け継ぐために、下久堅小の6年生が卒業証書用の和紙を作るなどしている。 お便りセットは1セット千円。20セット作り、同公民館で扱っている。6~11日に同市などで開かれる「いいだ人形劇フェスタ2013」の会場となる地区内6カ所でも販売する。売れ行きにより増産も検討する。問い合わせは同公民館(電話0265・29・8001)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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