下伊那郡平谷村に明治初期から伝わる「平谷歌舞伎」の定期公演が27日、平谷小学校体育館で行われた。2009年を最後に中断していた子供歌舞伎が3年ぶりに復活。地域の伝統芸能継承へ新たなスタートとなった舞台に会場は沸き、大きな拍手と声援が送られた。 6年生5人と5、3年生1人ずつが出演。別々の主君に仕える三つ子が争う演目「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)吉田社車引(よしだしゃくるまびき)の場」を堂々と演じた。三つ子役の児童3人が見えを切る場面では、客席からおひねりが飛んだ。 「拍手をもらえてうれしかった」。三つ子役を演じた平谷小6年の三鬼領生(みきれお)君(11)は、舞台を終えて充実した表情。指導した平谷歌舞伎クラブの西川宗一座長(58)は「伝統の大切さが伝わったと思う」と話していた。 子供歌舞伎は旧平谷中学校の生徒が演じていたが、生徒の減少や同郡阿智村阿智中に統合されたのに伴い、一昨年、昨年と中断。それを平谷小の児童が受け継いだ。定期公演では、同クラブも忠臣蔵の一幕「仮名手本忠臣蔵(かなてほんちゅうしんぐら)祇園町一力(ぎおんまちいちりき)の場」を演じた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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