Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

時計修理、諏訪の心意気 技能五輪で24年ぶり復活

$
0
0

 23歳以下の若者がものづくりやサービスの腕を競う第50回技能五輪全国大会は27日、松本市の8会場と諏訪市の5会場で本格的に競技が始まった。この日の競技は39職種。諏訪市文化センターでは、24年ぶりに復活した「時計修理」の競技が始まった。かつて「東洋のスイス」といわれ、時計産業が盛んだった開催地の諏訪地方にちなみ、今大会に限って復活。地元のセイコーエプソン(諏訪市)からは2人が、時計を原点に飛躍したメーカーの威信をかけて大舞台に挑んでいる。  エプソンの出場選手は、同社塩尻事業所(塩尻市)のウオッチ生産部に所属する西中卓也さん(22)=安曇野市堀金=と、中野祐希さん(20)=松本市原。ともに松本工業高校(松本市)出身で、1学年上の西中さんが一足早く2009年に入社。中野さんが入社した10年から2年余り、一緒に訓練を積んできた。  時計修理には県内選手8人を含む20人が出場。競技は2日間で計10時間に及ぶ。初日は機械式腕時計の駆動部分とクオーツ式腕時計をそれぞれ分解し、不具合を発見して修理・調整する課題に挑戦。選手たちは顕微鏡をのぞきながらミリ単位の部品をピンセットで扱い、息を殺すように繊細な作業に集中した。  初日の課題を一番乗りで提出した西中さんは「緊張で頭が真っ白になるかと思ったが楽しんでできた。2日目もいつも通りに作業したい」。続いて提出した中野さんは「ミスもあったが、できる範囲で修正できた。2日目は自分のできる精いっぱいの力を出し切りたい」と話した。  インクジェットプリンターやプロジェクターを世界で販売するエプソン。そのものづくりを基盤で支えているのは時計で培った精密加工の技術だ。2年に1度の技能五輪国際大会では、参加国減少で1985(昭和60)年を最後に「時計修理」が実施職種から外れるまで、5連覇した輝かしい歴史がある。  社内で2人を指導し、この日も競技を見守った同社の小松郁清さん(48)=諏訪郡下諏訪町=は85年の国際大会で優勝した最後の金メダリスト。「金メダルを取ってほしいのはもちろん、大会後もエプソンのものづくりのDNAを受け継ぐ中核技術者として活躍し続けて」と期待していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>