飯田市などで開催中の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ2013」の見どころの一つで、アジアの劇団員らが協力して作り上げた演目の発表会が7日、市内の飯田文化会館で開かれた。インド、カンボジア、ラオス、フランス、日本の12人が各国の人形を操り、文化の融合を感じさせる劇を披露した。 今回のフェスタでは、各国の人形劇団が交流し、それぞれの技を互いに披露した上で、共演する演目作りに取り組んだ。この日披露されたのはその成果で、争いや洪水で疲弊した人々にヒンズー教の神が命を吹き込む物語だ。ヤシの実と布で作られたラオスの人形や、インドの糸操り人形などが次々と登場し、カンボジアの影絵も映し出された。 ラオスの「劇団カオニャオ」の団長、ラタナコーンさん(32)は「各国のリズムは異なったが、みんな人形劇が好きなのでうまくできた」。「人形劇ネムロド」の湯本アキさん(28)=神奈川県小田原市=は「ともに理解しようという気持ちがあったから一つの作品ができた」と語った。 フェスタ実行委員長の高松和子さん(73)は「最初は意思疎通がうまくいかなかったと聞いていたが、本番を見ると異文化が集まったというより、一つの文化のようにまとまっていた。人形劇は言葉を超えるところにあることを見せてくれた」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧