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絶滅危惧種のサンショウウオ繁殖に成功 茶臼山動物園

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 長野市篠ノ井有旅(うたび)の市茶臼山動物園は7日、県版レッドリストで絶滅の恐れが最も高い「絶滅危惧(きぐ)種1A類」に指定されているハクバサンショウウオの繁殖に国内で初めて成功したと発表した。北安曇郡白馬村など生息域が限られ、土砂災害や開発などで数が激減する恐れがあるとされることから、同園が2010年5月に飼育を開始。11年春から繁殖に取り組んでいた。  ハクバサンショウウオは体長10センチほどの小型のサンショウウオ。1975(昭和50)年に白馬村で発見され、松井正文・京都大大学院教授(63)が87年に新種と発表した。白馬村の他、新潟、岐阜、富山県の一部の山地に生息。同村は村天然記念物に指定している。  同園は、県と同村の許可を得て飼育を始め、現在は成体の雄と雌が7匹ずついる。11年と12年は雄と雌を同じ水槽に入れても産卵がなかった。今年は水槽の中にろ過器を入れて水流をつくり、自然の状態に近づけたところ、4月11日に五つの卵のうを確認。水温の異なる複数の水槽に分けた結果、5月11日~6月12日に計32匹がふ化した。  その後6匹が死に、現在は26匹が5センチほどの大きさに成長している。飼育当初から携わる同園飼育員の高田孝慈(こうじ)さん(40)は「貴重な動物なので繁殖させることができてうれしい。来年以降の繁殖や成体になるまでの飼育を引き続き研究したい」としている。  松井教授は「飼育下で生まれた今回の個体が大人になって、繁殖できるかが今後の飼育で重要になってくる」と指摘している。  同園によると、国内では新潟県と岐阜県の2施設が飼育している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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