Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

「多くの胎児救うため判断」 減数手術公表の根津医師

$
0
0

 双子や三つ子といった多胎妊娠の胎児のうち、先天性異常のある胎児だけを選んで数を減らす「減数手術」を36例実施したと公表した諏訪マタニティークリニック(諏訪郡下諏訪町)の根津八紘院長は8日、大分県別府市で開いた日本受精着床学会での講演後に取材に応じ、手術の経緯や理由を説明した。  同院長は、多胎妊娠で一部の胎児に異常が見つかった場合、現状では全ての子を産むか全て人工中絶するかしかないと指摘。36例全ての妊婦が、減数手術ができなければ全胎児を中絶する意向だったといい、異常のある胎児を選んだのは「一人でも多くの胎児を救うためだった」とした。手術に当たっては「十分なカウンセリングをし、母親の意向を尊重した」と説明した。  出生前診断の進歩も踏まえ、今回のような減数手術は選択肢として残り続けるとし、「国や学会が減数のやり方を示すべきだ」と強調。障害児への差別や安易に命を選別することにつながらないかとの質問には「そういう懸念はないと思う」と述べた。  妊婦が胎児の異常を理由に減数手術や中絶を選ぶことの是非については「障害児を育てられる社会の支援態勢が不十分なままでは、私は『産んで育てなさい』とは言えない」と話した。  学会での講演は、学会側の意向で非公開で行われた。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>