下伊那郡阿南町和合に伝わる「和合の念仏踊り」(国選択無形民俗文化財)が13日夜に始まった。静かな山あいで約300年前から続く行事で、先祖の霊を迎えて豊作を祈る。町内で活動する地域おこし協力隊員が踊り手を務めたり、会場の一つの古民家で講演会を開いたりして伝統継承に一役買った。 念仏踊りは熊野社境内で午後8時半前に始まり、「ヒッチキ」と呼ばれる2人一組の踊り手が「ヤートーセ」の掛け声に合わせて舞った。 協力隊員の尾崎真理子さん(32)=伊那市出身=は会場の古民家を所有する宮下家と協力し、日中に講演会を開催。伝統の踊りに初めて触れ「集落を維持することと、踊りを維持することは重なっているように思えた」と話した。踊りは16日まで毎晩行われる。 今回は文化庁の文化財調査官が1999年以来となる調査に訪れており、伝承状況などを確認している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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