北アルプス・涸沢で17日、阿部守一知事が山小屋や遭難救助に携わる関係者4人と意見交換する「ランチミーティング」が開かれた。ミーティングは冒頭を除いて非公開だったが、出席者によると、阿部知事は、遭難防止や救助に取り組む北ア夏山常駐隊員の常駐期間を現行の40日間から延長することに前向きな姿勢を示した。 一般公募の自営業や山岳ガイドらで構成する夏山常駐隊は、北アの南部と北部の両地区に7~8月に常駐し、今夏は8月19日まで活動するが、常駐期間後も遭難事故が発生する傾向にある。ミーティング出席者によると、常駐隊側が態勢の充実を要請。阿部知事はミーティング後の取材に、同隊の常駐日数延長に関して「充実していかないといけない」と述べた。 ミーティングでは、中央アルプス・檜尾(ひのきお)岳周辺で、韓国人の登山者4人が死亡する遭難事故が起きたことを受け、外国人登山者の受け入れについても意見交換。北ア南部地区夏山常駐隊の吉田英樹隊長は「日本語が上手で、日本の山の事情を知るガイドを付けるように注意喚起できればいい」と提案した。県警山岳遭難救助隊の宮崎茂男隊長は「県内の山に精通した信州登山案内人制度が生かせれば良いのではないか」と話した。 阿部知事はこの他、涸沢を拠点にする北ア南部地区の夏山常駐隊や県警山岳遭難救助隊を激励。安全登山を呼び掛けるチラシや地図を登山者に配った。(長野県、信濃毎日新聞社)
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