松本市で開催中のサイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本で、23日に公演初日を迎えるオペラ2演目の総合リハーサルが19日、同市のまつもと市民芸術館でボランティアや報道陣に公開された。病気療養を終えた小澤征爾総監督(77)が、2年ぶりのSKFの指揮台に立ち、終了後に「やっとここまでできるようになりました」と客席に向かってアピールした。 2演目ともラベルの作品で「こどもと魔法」を小澤総監督が、「スペインの時」をステファヌ・ドゥネーブさんが指揮。本番と同じ衣装や舞台装置を使って行った。 「こどもと魔法」は、かんしゃくを起こして部屋を荒らした少年に、壊されたコーヒーカップなどが仕返しにくる粗筋。リハーサル後の練習で小澤総監督は「最後のフレーズをもう少し短く」などと歌手に声を掛けていた。「スペインの時」は、時計店の女房が夫の留守中に愛人ら3人の男たちと繰り広げる喜劇だ。 ボランティア12年目という松本市の稲葉和子さん(80)は「舞台装置に迫力があった。微力ながら陰で公演を支えたい」と話した。 今年5月に亡くなったバイオリニスト潮田益子(うしおだますこ)さんを追悼しようと、モーツァルトの曲も練習。プログラムにはないが、本番で演奏する予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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