飯田署と県警組織犯罪対策課は19日、麻薬取締法違反と薬事法違反の疑いで、下伊那郡松川町松川北小学校教諭、近藤仁生(きみお)容疑者(42)=上伊那郡中川村大草=を逮捕した。逮捕容疑は5月上旬ごろ、氏名不詳の者らと共謀して、麻薬と指定薬物を含む乾燥植物片2・99グラムと、薬事法で輸入や販売が規制されている指定薬物を含む液体(通称RUSH(ラッシュ))の小瓶5本を国際通常郵便物として米国の郵便局から北佐久郡軽井沢町の同容疑者の旧住所宛てに発送、国内に持ち込んだ疑い。 同署などによると、近藤容疑者はラッシュについて「自分で使うために輸入した」と供述しているが、乾燥植物片は「おまけで付いてきたと思う」と一部容疑を否認している。ラッシュはインターネット通販サイトで1万数千円で購入したといい「これまで6回くらい輸入した」と供述しているという。 県警は19日、同容疑者の自宅と自家用車、勤務先の松川北小の3カ所を家宅捜索し、自宅からラッシュの空き瓶数本とパッケージ入りの白い粉約1グラム、パソコンなどを押収。同容疑者は粉について「脱法ハーブ」と供述しており、同課が鑑定を進めている。 同課によると、ラッシュはは2007年に薬事法の指定薬物となり、輸入などが禁止された。県薬事管理課によると、ラッシュは規制以前はビデオクリーナーなどとして国内でも売られ、揮発性が高く、吸うと快感が高まるとして「脱法ドラッグ」の代表格だった。指定薬物となってからは国内でほとんど出回らなくなり、使用する人の多くが海外から輸入しているとみられるという。 担当者は「指定薬物はどんな作用があるか分からず、死に至る危険性もある」と指摘する。ただ、指定薬物は輸入、販売目的の所持が禁止されているが、単純所持、使用は規制されていない。同容疑者は「以前は国内でも出回っていたが、指定薬物になって手に入りにくくなり輸入するようになった」と供述しているという。 県警は6月に名古屋税関から通報を受け共同捜査していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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