2013年度内の打ち上げを目指す信州製超小型人工衛星「ShindaiSat(シンダイサット)」(愛称・ぎんれい)に搭載する機器の組み立て作業が20日、長野市若里の信州大工学部キャンパスで本格的に始まった。衛星と地上間の超長距離「可視光通信実験」で使う発光ダイオード(LED)の配線確認や、各種制御装置の組み立てを進める。今月中に衛星本体に機器を取り付け、9月以降に最終的な性能試験に臨む。 衛星は一辺約40センチの立方体で、アルミ製の枠組み(構造体)に通信や姿勢制御などに使う機器を搭載する。この日は、同キャンパス内のクリーンルームで、中島厚・信大特任教授や大学院生ら6人が、衛星のパネルに設置する32個のLEDの配線を確認したり、一部を取り付けたりした。 人工衛星プロジェクトは、中島特任教授を中心に信大が衛星の設計や組み立てを担い、県内外の企業・団体が部品供給などで協力している。 中島特任教授によると、9月以降は打ち上げ用機体が振動や熱に耐えられるか試験をして確認する。11月末に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に完成機を引き渡し、来年3月までにH2Aロケットで打ち上げる予定。中島特任教授は「スケジュールは厳しいが、さまざまな微調整を加えて完成を目指す」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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