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甘酒滋養、夏も需要 麹ブーム追い風に

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 県内の酒造会社やみそ醸造業者が、甘酒の製造出荷を急速に伸ばしている。冬の飲料という印象が強いが、こうじブームを追い風に、栄養が豊富な点が見直され、夏ばて予防などで需要が拡大。各社は地元産果物で味付けした新商品や飲みやすい少量タイプを投入するなどして、販売促進に力を入れている。  みそ・漬物製造販売の丸昌稲垣(飯田市)は2009年ごろから、夏の「土用の丑(うし)の日」に甘酒を飲もう―とPRし、カップ入りや袋詰めで販売していたところ、「昨年爆発的に売れた」(稲垣勝俊社長)。原料はコメと米こうじ。近年のこうじブームで注目が高まったとみられ、12年の出荷量は前年比約1・5倍。今年も同程度の伸びを見込む。  酒類・食品卸の長野県酒類販売(長野市)でも、夏場(6~8月)の甘酒の販売高は11年に前年同期比58%増、12年は64%増と大幅に伸び、今年も8月半ばで前年夏に並んだ。甘酒は、アミノ酸やビタミンB群が豊富で吸収が良く、疲労回復につながるとされる。担当者は「発酵食品への関心が高まっており、かつては冬から春が最も売れたが、近年は夏の売り上げが伸びている」とする。  各社は需要をつかもうと商品力も強化している。みそ製造販売の酢屋亀本店(長野市)は、ペットボトル入りで従来の350ミリリットル入り(380円)に加え、手軽な200ミリリットル入り(280円)を昨年投入。店頭では栄養豊富な「健康ドリンク」として熱中症予防などの効果もうたう。  若林醸造(上田市)は11年から、地元産果物を組み合わせたり、植物性乳酸菌「ラブレ菌」で酸味を足したりした新商品を順次投入している。今年も8月半ばまでの売り上げが前年同期の2倍近くと好調だ。今月末以降、上田市産のトマトやブルーベリーの果汁をそれぞれ加えた新商品の投入を計画している。  日本酒の需要は低迷が続くが、最近は甘酒目当ての客が日本酒を購入する相乗効果が出始めているとし、担当者は「日本酒の販売促進にもつなげたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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