５千万円余りを横領したとして、上田信用金庫（本店・上田市）が２０１２年１２月に元職員を詐欺容疑で上田署に告訴した事件で、同署は２２日、詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで、元職員の住所不定、無職荻原雅三（まさみ）容疑者（４８）を逮捕した。
逮捕容疑は、同信金臼田支店（佐久市）の支店長代理だった２００７年７月、客の依頼を受けたように装って預金の払戻請求書などを偽造し、部下に渡して支店口座から預金８００万円を引き出させ、同信金からだまし取った疑い。同署によると、容疑を認めている。
同信金は告訴状などで、同容疑者は支店長代理時代に客１人から現金５千万円を預かり、客の親族ら別の５人の名義になっている個人口座に全額を入金した後、無断で引き出したとしており、同署は余罪を調べている。
同信金は荻原容疑者について、本店企業支援課にいた０９年７月から昨年８月までの間には、無断で定期積金証書を持ち出し、自宅のパソコンで通常より利率の高い証書を偽造。５人から計５７５万円をだまし取ったともしている。被害総額は約５８８０万円に上り、同容疑者側は昨年１１月末までに全額を弁済したという。
同容疑者は昨年１１月、信濃毎日新聞の取材に対し、これらの行為について「やってしまったことは間違いない」と認めたが、「（横領した金の）使途については言えない」などと話した。
同信金は２２日夜、「（逮捕を）厳粛に受け止め、今後も再発防止と信頼回復に努める」とする小林哲哉理事長名のコメントを出した。
同信金では、０９年３月にも計３億１４００万円に上る巨額横領が発覚。上田署は１１年９月、御代田支店（北佐久郡御代田町）元支店長の男について業務上横領容疑で長野地検に書類送検し、同地検は同年１１月、嫌疑不十分で不起訴処分とした。（長野県、信濃毎日新聞社）
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上田信金元職員逮捕 詐欺容疑 ８００万円分の横領立件
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