県立特別支援学校の寄宿舎で、勤務していた男性指導員(31)=1月24日付で懲戒免職=が女子生徒にわいせつ行為をさせ、県警少年課などに児童福祉法違反(児童に淫行をさせる行為)の疑いで書類送検された事件で、長野地検は22日までに元指導員を不起訴処分とした。地検は処分理由を明らかにしていない。 元指導員は昨年9月中旬の夜間、寄宿舎で女子生徒1人にわいせつな行為をさせた疑いで、2月1日、書類送検されていた。 元指導員が在籍していた特別支援学校が昨年秋に情報を得て、元指導員や女子生徒への聞き取りで状況を把握。昨年11月に相談を受けた県警が同校や元指導員の自宅を家宅捜索するなどした。 捜査関係者によると、元指導員は調べに対して容疑を認める供述をしていた。ただ、公判で事件を立証するための有力な証拠が十分に得られなかったという。 県警少年課は「検察庁から通知がなく、事実関係を確認できないためコメントできない」としている。 この事件をめぐって県教育委員会は1月、教職員の「懲戒処分等の指針」を変更し、わいせつ事件などで被害者側が求めた場合は処分自体も公表しないこともできる―とした。しかし、不祥事隠しにつながるとの批判があり、有識者らでつくる「教職員の不祥事に係る公表ガイドライン検討会議」は5月、こうした変更部分を削除したガイドライン案を決定。「指針変更」は撤回され、現在は原則公表となっている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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