松本市で開催中のサイトウ・キネン・フェスティバル(SKF)松本で23日、ラベルのオペラ「こどもと魔法」と「スペインの時」が同市のまつもと市民芸術館で初日を迎えた。病気療養を終えた小澤征爾総監督(77)がSKFで本格復帰。2年ぶりのSKFの舞台は歓迎の大きな拍手に包まれた。 小澤さん指揮の「こどもと魔法」は、宿題をせず母親に叱られた男の子が部屋をめちゃくちゃにし、壊れた家具などが仕返しするというファンタジー。小澤さんはしなやかに両手を動かし、上下左右に体を弾ませて指揮していた。 オーディションで選ばれた市民らでつくるSKF松本合唱団25人とSKF松本児童合唱団20人も美しい声を響かせた。上演後、小澤さんはステージに上り、出演者一人ずつと握手。1500人余が入った客席に手を振って拍手に応じていた。 ステファヌ・ドゥネーブさん指揮の「スペインの時」は、時計店の妻が夫の留守中に男たちに言い寄られるという喜劇。テンポの良い掛け合いが笑いを誘った。 那覇市から友達と一緒に訪れた主婦中嶋みどりさん(54)は「念願のSKFにようやく来られた。キャラクターがすてきで舞台のどこを見ても楽しめた」と話した。 この日の「こどもと魔法」は天皇、皇后両陛下も鑑賞された。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧