下伊那郡阿智村清内路地区の住民有志ら8人でつくる「清内路かぼちゃ保存会」は27日、地区内で栽培している信州の伝統野菜「清内路かぼちゃ」の収穫を始めた。風土に根差した農産物を後世に伝えようと取り組みを始めて3年目。実の断面がハート形をした古くからの外観を目指しているが、目標とする実はまだ少ないのが実情。腰を据えて栽培を続け、伝統の形を受け継いでいく予定だ。 この日は、地元住民から借りた畑に会員ら11人が集まり、つるを地面にはわせたり、高さ約2メートルのアーチ状の棚で育てた実を収穫したりした。7月5日までに花を付けた実を対象とし、計91個の重さも記録した。中には5キロを超える重い実もあった。 同会は昨季まで、ラグビーボールのような形を本来の実の姿として目標にしてきた。ところが昨年12月、清内路かぼちゃの源流とされる品種「デリシャス」は実の断面がハート形と研究者から知らされ、目標を設定し直した。会長の桜井道治さん(62)は「今年収穫する実のうちハート形は1割に満たないかもしれない。来年は3割を目指したい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧