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PM2・5中国の影響11事例 県環境保全研究所が分析

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 2009~12年度に県環境保全研究所(長野市)で観測した微小粒子状物質「PM2・5」の濃度が高かった15事例のうち、11事例は中国大陸からの越境大気汚染の影響と推測でき、2事例は長野盆地周辺で出た車の排ガスなどが影響した可能性があることが27日、同研究所の分析で分かった。同研究所によると、県内でPM2・5の濃度上昇の原因を長期的に分析したのは初めて。  越境大気汚染の影響を裏付けた一方、同研究所は国内、県内に由来するPM2・5対策の必要性も指摘している。  同研究所でPM2・5の濃度を観測し始めたのは09年度。12年度まで4年間の測定値のうち、1日平均の値が大気1立方メートル当たり35マイクログラム(マイクロは100万分の1)を超えた「高濃度日」は計18日あった。今回は2日連続して高濃度だった場合を1事例とし、計15事例を分析した。  高濃度日の直前3日間の風の流れを調べたところ、北京や天津など中国都市部を経由してきた風の影響とみられる事例が9事例あった。このうち5事例では、日本の複数地点で黄砂が観測されていた。  また、中国都市部を通過してきた風はなかったが、日本で黄砂が観測され、PM2・5の濃度が高かった事例が2事例あり、これら計11事例は中国大陸からの越境大気汚染と推測した。  一方、残る4事例のうち2事例(10年1月12日と11年11月28・29日)は大陸からの風がなく、大気の常時監視で車の排ガスなどから出る窒素酸化物などの値が高い日だった。PM2・5は車の排ガスやボイラーの排気に含まれるすすなども原因とされる。  ともに寒い時期のため、上空に地表付近より暖かい大気の層ができる「逆転層」ができて大気が対流せず、長野盆地付近で発生したPM2・5が地表近くにとどまった可能性があるとみられている。  同研究所の中込和徳研究員は「県内でもPM2・5は発生しており、中国から飛来したものと合わさって数値が上がった」とみて、地域での排ガス対策などの必要性を指摘。同研究所は今後、PM2・5の成分などを検査し、高濃度になる原因を調べる方針だ。  越境大気汚染は今年に入って注目され、環境省は2月に日平均値が大気1立方メートル当たり70マイクログラムを超えると予測される場合、都道府県が住民に外出や屋内の換気を控えるよう注意喚起する―との指針をまとめた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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