大町の通学路に熊よけの鐘　子どもたちの安全願い設置

　大町市八坂の自治組織「八坂地域づくり協議会」は３１日、地区内の通学路８カ所に、市内で初めて熊よけの鐘を設けた。子どもたちの安全を願い、住民３０人余りが手分けして作業。早速鳴らすと、カーンと高い音が山あいに響いた。 　切久保地区では、山村留学生の子どもらが登下校時に歩き、熊が横切るという県道の尾根筋に設置した。作っておいた基礎に真鍮（しんちゅう）製の鐘を付けたＬ字形の鉄管を立て、生コンで固定した。高さ約２メートルあるが、小さな子でも鳴らせるよう長いひもが付いている。切久保自治振興会長の勝野照治さん（６７）は「この辺は他にも野生動物が多い。人家に近づけない意味でも鳴らしていきたい」と話していた。 　児童生徒の安全対策を求めて同協議会が市に陳情し実現した。７月から、熊との共存対策に実績のあるＮＰＯ法人ピッキオ（北佐久郡軽井沢町）を招き、子ども、住民向けの熊対策学習会も開いてきた。（長野県、信濃毎日新聞社）