教員に免許外の教科を受け持たせたことなどが問題になっている学校法人「才教学園」が松本市で経営する才教学園小、中学校で2日午前、2学期の始業式があった。当初、8月23日を予定していたが、問題発覚を受けて二度延期され、10日遅れとなった。学園によると、山田昌俊理事長(校長)は「皆さんに悲しい気持ち、不安な気持ちにさせたことをおわびします」と児童、生徒に謝罪した。 式は非公開。児童、生徒はこの日午前7時半ごろから、保護者の車や学園の送迎用バスで次々に登校し、講堂で開いた式には、両校の児童、生徒計498人のほとんどが出席したという。 学園は8月29日に、違法状態を解消するため職員5人を新たに雇用したと説明。学園によると、山田理事長は始業式で「2学期からは問題は全て改善されている」と話した。また、「このような事態に陥った責任は校長の私にある」とし、「才教学園と先生、自分自身を信じて2学期も頑張って勉強していきましょう」などと述べたという。 県によると、同学園は教員免許を全く持たない事務職員に小学校の教科を教えさせたり、中学校の免許しかない職員に小学校の学級担任をさせたりしていた。松本署などは教育職員免許法違反の疑いで捜査している。 この日、子どもが登校した松本市の母親の1人は取材に「2学期が始まってひと安心だが、子どもは学校の説明に不信感を持ち、登校を嫌がっている。一日も早く不安なく登校できる学校にしてほしい」と求めた。孫が通っている同市の男性は「2学期が始まり、ほっとした。法的にいけないところは是正し、今まで通りの教育を進めてほしい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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