松本市の学校法人「才教学園」が経営し、多数の教員が免許外の教科を教えていた才教学園小、中学校の下辻正孝教頭は2日、新たに教育職員免許法違反に当たる教員がいたと明らかにした。2012年度から小中学校の音楽を担当していた女性の非常勤教員(37)が教員免許を更新しないまま授業。同学園に採用時点で免許の効力はなかったという。下辻教頭は「チェックが不十分だった」としている。 同学園によると、今回の女性を含め、違法な教え方をさせていた教員は2005年度の小、中学校開設当初から延べ67人になった。 下辻教頭によると、女性は中学校と高校の音楽の教員免許を所持。主婦だった11年度末で教員免許の更新期限が切れたことに気付かなかったという。同学園は12年4月に女性を雇用。その際、免許状のコピーの提出を受けた。女性は小中学校で教え、12年度は週に計約17回、13年度は週に計14回、授業をした。 女性は、今回の問題を受けて免許を更新していないことに気付き、今年8月30日に学校に申告した。下辻教頭によると、女性は09年4月に教員免許更新制度が導入されたことを知らず、「更新を忘れていた」と説明。学園は2学期から女性を音楽の授業から外し、既に別の教員を雇用したという。 県教委などによると、この制度で、教員免許は10年に1度決められた講習を受けて免許を更新しない場合、効力がなくなる。同学園から報告を受けた県情報公開・私学課はほかの教員の更新期限を確認し、「ほかに同様の例はなかった」としている。 同法違反の疑いで捜査している県警は現在、同学園に現在勤務している教員を中心に事情を聴いている。 疲労で8月28日夜に入院した山田理事長は、9月2日の始業式に出席後、学校を早退した。下辻教頭は「(理事長が)退院したとは聞いていない」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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