長野地方気象台は2日、県内の夏(6~8月)の天候まとめを発表した。ともに暖かい太平洋高気圧とチベット高気圧の勢力が強かったことから、8月は飯田市南信濃で県内の観測史上最高気温となる39・1度を観測するなど、4地点で8月の最高気温を更新。降水量は3カ月を通して平年並みまたは平年より少ない所が多かったが、局地的な雷雨などで諏訪など5地点が8月の1時間降水量の記録を更新(過去の実績と同じ値も含む)、各地で不安定な天気だった。 気象庁によると、7、8月は、フィリピンなどの海面水温が平年より高く大気の対流活動が活発化。その上昇気流が日本周辺に吹き下ろし、太平洋高気圧の勢力を強めた。大陸にも吹き下ろし、チベット高気圧が勢力を強め、日本付近へ張り出した。 同気象台によると、最高気温が35度以上になった「猛暑日」は3カ月合計で、南信濃(平年5・1日)が19日、上田(同6・4日)と飯田(同2・6日)がともに13日となるなど平年を大きく上回った。8月には、中旬を中心に南信濃や伊那などで1日の最高気温を更新した。 雨に関しては、まとまった雨は少なかったが、8月15日には諏訪地方で局地的な大雨となり、1時間降水量は74・5ミリとこれまで1位だった38・5ミリの倍近くを記録。同月23日には長野、松本など、31日には木曽郡木曽町開田高原などでも局地的に大雨となった。南から暖かく湿った空気が入り込むなどして、大気が不安定になったためという。 気象庁は、「5月29日ごろ」としていた関東甲信地方の梅雨入りを「6月10日ごろ」と確定させた。梅雨明けは7月6日ごろだったため梅雨の期間は26日間で、1978(昭和53)年の23日間に次いで2番目に短かった。太平洋高気圧の勢力が強かったためとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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