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シカの銃駆除 仙丈ヶ岳で試行 1回発砲も捕獲できず

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 南アルプスのニホンジカ対策として、仙丈ケ岳(3033メートル)で1日から4日間の日程で銃によるシカ駆除を試行していた環境省は3日、小仙丈沢カールでシカ3頭を確認し、1頭に向けて発砲した。だが、仕留めたかどうかは確認できず、発砲する機会はもともと1回と想定していたため、試行は捕獲できないまま終了する見通しとなった。  同省南ア自然保護官事務所(山梨県南アルプス市)によると、シカ駆除試行に向け、逃げ道をふさぐためカール底部に総延長500メートルにわたって柵を設置。中央付近に塩や餌を置きシカをおびき寄せた。作業を委託した一般財団法人「自然環境研究センター」(東京)の射撃手6人、登山者が付近にいるかを確かめる監視員7人ら計16人と、同事務所自然保護官ら総勢20人が入山して臨んだ。  同事務所によると、初日と2日目は一帯にガスがかかって遠くを見通せず、雨や風も強かったため作業は見送り。3日は一部でガスがかかるもののある程度見通せる状況となったことから午前5時、射撃手6人をカール上縁部に配置しシカを待った。  午前5時45分、柵から外れた北側のハイマツ帯で射撃手がシカ3頭を確認。数日来の天候から「次のチャンスがあるか分からない」(南ア自然保護官事務所)と判断し、同51分、1頭をライフル銃で撃った。狙ったシカはその後に姿が見えなくなり、1時間ほど周辺を探した。姿は確認できなかったが、地面に血痕はあり、他の2頭は発砲音などで逃げたという。発砲後に逃げたシカはすぐには一帯に戻らないもようだ。  監視員らはその後も終日、シカがカール内に戻るかどうか、見渡せる稜線(りょうせん)上から双眼鏡も使って巡視した。一帯では一時、青空ものぞき、カール内に設けた黄色い柵が確認できたが、シカの姿は見られなかった。銃による駆除の試行は本年度、これで終わるが、同センター職員らは今後も1週間程度、引き続きカール内で観察を続ける予定だ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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