県内で7~8月に発生した山岳遭難が103件だったことが4日、県警のまとめで分かった。統計が残る1954(昭和29)年以降で最多だった前年同期(117件)より14件減ったが、1~8月の発生件数は前年同期を上回るペース。県山岳遭難防止対策協会(県遭対協)は、秋山シーズンに安全登山の呼び掛けを強める。 県警山岳遭難救助隊によると、例年に比べ入山者数や天候に大きな変化はなく、「ヘルメットの着用を呼び掛けるなど、県遭対協で本年度から取り組んでいる遭難防止の取り組みが一定の効果を上げ始めているのでは」とみる。 ただ、7月の中央アルプスの韓国人4人死亡遭難事故や、心臓疾患などで亡くなる例が増え、死者数は24人(前年同期比15人増)。遭難原因は、転倒と転・滑落が63人(同28人減)、病気22人(同13人増)、疲労凍死傷11人(同1人増)と続いた。 年代は60歳以上が約6割、山域別では北アが71件で7割近くだった。同救助隊は「疲労や持病を抱えたままの登山、体力に見合わない山行で発病する例が目立つ」とした。 1~8月の発生件数は192件(同11件増)。3年連続で過去最多を更新した昨年を上回るペースだ。県遭対協事務局の県は「登山者への遭難情報の提供など、活動を強化し、4年連続最多は食い止めたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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