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伝統の歌舞伎、継承に汗 下條・平谷 小中学生が稽古

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 下伊那郡下條村と平谷村の小中学生が、両村にそれぞれ伝わる下條歌舞伎と平谷歌舞伎の継承に励んでいる。下條歌舞伎の前保存会長で、両歌舞伎の指導役を務めていた小池恒久さん(下條村)が今年1月に80歳で死去。影響は大きく、村下條中学校歌舞伎クラブは年2回だった公演を1回とし、昨年復活した平谷村の子供歌舞伎は公演を見送り村平谷小児童が大人の舞台に合流する。それでも子どもたちは、秋の本番に向け練習を重ねる。  下條中の歌舞伎クラブに所属する2、3年生10人は、同校文化祭「清明(せいめい)祭」初日の20日、演目「絵本太功記(えほんたいこうき)十段目尼ケ崎の段」を披露する。主君を討った明智光秀と家族の苦悩を描いた物語だ。2日夕、村民センターに集まった生徒10人は、保存会員の指導で足の運びや見えの切り方などの稽古を繰り返した。  同クラブは近年、清明祭に加え、下條歌舞伎の11月の定期公演で尼ケ崎の段などを上演してきた。小池さんを亡くしてから初めて秋の公演時期を迎えたが、保存会員が指導できる演目は限られるのが実情。今年11月23日の定期公演では保存会員も尼ケ崎の段を上演するため、同クラブの出演はなくなった。  同クラブ長で3年の古田将己(しょうき)君(15)は清明祭に向けて「歌舞伎クラブでは最後の上演になるので上手に演じたい」と話した。  平谷村では、平谷歌舞伎の定期公演が10月26日にある。村民有志でつくる村歌舞伎クラブの会員と平谷小の児童計20人余が、恩人のため自らの子を犠牲にする物語「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺子屋の段」を披露する。昨年は児童が子供歌舞伎を3年ぶりに復活させ、一幕全てを演じた。小池さん亡き今、同クラブ会員も子供歌舞伎の指導まで手が回らず、今年は児童が大人に交じって公演することになった。  村老人ふれあい作業所「寿楽センター」では3日夜、定期公演に出演する平谷小の3、4、6年計6人が稽古に励んだ。昨年の子供歌舞伎の上演を見て参加を決めた6年の熊谷泰我(たいが)君(12)は「大人の演技を見ながら日々の練習を頑張りたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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