2014年度から独自の「山の日」制定を目指している県は7日、「県の『山』を考えるシンポジウム」を大町市文化会館で開いた。パネル討論で、阿部守一知事ら5人が、山の恵みや課題をめぐり論議。山の日の期日について阿部知事は、子どもたちが親しみやすく、雨の心配がない時季が望ましいとし、県の有識者懇話会が提言した「7月下旬から8月上旬」に沿って設ける考えを示した。 懇話会の提言は、国民の祝日「海の日」の7月第3月曜日を候補に挙げているが、県は梅雨がまだ明けず、小中学校の夏休み前であることも想定。海の日より遅らせた7月第4日曜日で最終調整しており、近く表明する。 パネル討論では、信州大山岳科学総合研究所の鈴木啓助所長が「山小屋トイレや野生鳥獣被害、学校登山の減少傾向など、山の日実施に当たり課題も多い」と指摘。牛越徹大町市長は「若い人たちにぜひ、登山で背中に気持ち良い汗をかく体験をしてほしい」と強調した。日本山岳ガイド協会の磯野剛太理事長は「山の日が休日になり、遊びに出掛けられるかがポイントだ」と指摘した。 シンポジウムは県や市町村関係者ら約400人が出席。これに先立ち県議や69市町村の議員でつくる森林や林業の活性化を促す議員連盟が総会を開き、県独自の山の日と、国民の祝日「山の日」の制定を求める決議をした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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