上田の弁当店兼住宅の押し入れから遺体

　８日午後３時ごろ、上田市天神の３階建ての弁当店「いしがらみの店」兼住宅で、「異臭がする」との通報を受けて捜索していた上田署員が３階の押し入れで腐敗した遺体を見つけた。同署は、この建物の所有者で同店を経営し、３年以上前から行方不明になっていた辻富雄さん（６３）の可能性が高いとみて、元妻（６０）ら家族から事情を聴いている。 　同署はこれまでの調べから被疑者不詳の殺人・死体遺棄容疑事件として９日にこの建物を家宅捜索する。 　同署によると、辻さんの次男（２９）と三女（３３）が５日昼に立ち寄った際に異臭に気付き、同日夜に上田署に通報。署員が捜索していた。 　遺体は３階奥の北東側にある洋間の押し入れの中で、衣服を着た状態で見つかった。傷みが激しく、性別は不明。死後１年以上たっており、９日以降に司法解剖して身元や死因を調べる。 　辻さんは２００６年に元妻と離婚。元妻は別の男性と結婚して東信地方に住み、建物１階の弁当店に通っていた。店は長男（３９）が切り盛りし、数人の知的障害者らが働いていた。ここ３年ほどは誰も住んでいなかったという。 　近所の人によると、富雄さんの姿を見かけなくなったため、数年前に元妻に尋ねたところ、元妻は「遠くへ行っている」と話したという。（長野県、信濃毎日新聞社）