上田市天神の3階建ての弁当店「いしがらみの店」兼住宅で腐敗した遺体が見つかった被疑者不詳の殺人・死体遺棄容疑事件で、上田署は9日、遺体の司法解剖を行い、体の特徴などから同店経営者の辻富雄さん(63)と断定した。辻さんは3年以上前から行方不明になっており、同署は現場検証を進めている。 同署によると、遺体は3階奥の物置代わりに使っていた洋間の押し入れの中で、木製の茶箱の中から見つかった。捜査関係者によると茶箱は1メートル弱四方で、遺体は下着などを着けた状態で折り畳まれるように入っていた。内側にはアルミ箔(はく)のようなものが張られ、発見時は上からふたが閉められていて、密閉性が高い状態だったという。 この日の司法解剖では目立った外傷は見当たらず、死因や死亡時期は分かっていない。 3階の異臭に気付いて5日に上田署に通報したのは、辻さんの次男(29)と三女(33)。弁当店は、1999年に開店してから2006年に辻さんと離婚して以降も元妻(60)が切り盛りし、最近は長男(39)が中心に運営していた。同署はこうした家族らが何らかの事情を知っているとみて話を聴いている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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