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電車内の人々のスケッチを等身大に 軽井沢で企画展

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 中国・上海出身で東京在住の画家蔡国華(さいこっか)さん(49)の作品展「旅人―何処(いずこ)へ―」が11日、北佐久郡軽井沢町のしなの鉄道中軽井沢駅併設のくつかけテラス多目的室で始まった。蔡さんは9年前から、自宅とアトリエを往復する通勤電車で人々をスケッチ。描きためた数千枚から選んだ約50点を等身大パネルにして展示している。  蔡さんは、通勤快速をもじりスケッチを「通勤絵速(かいそく)」と呼ぶ。電車の中で目の前にいた酔っぱらいの男性の面白いポーズを思わず描いたのが始まり。「絵の練習と人物画の素材の取得と通勤とで一石三鳥」(蔡さん)。退屈だった往復2時間が一変した。  気づかれないように本を読むふりをして、いついなくなるか分からないモデルを素早く描く。携帯電話をいじるサラリーマン、スマートフォンに夢中の女性、新聞を読む人、寝ている人…。スケッチを見直すと、四季の変化や流行の移り変わりなど、多くのことが感じ取れるという。スケッチを等身大にしたのは初めてで、駅近くの同施設での展示内容を考える中でアイデアが浮かんだ。  蔡さんは1988(昭和63)年に来日、武蔵野美術大で学んだ。「何来何去(からいかきょ)」(人は何処から来て何処へ行くのか)をテーマに人物画を中心に制作を続けてきた。「通勤絵速」もその流れの中にある。  16日まで午前10時~午後6時(最終日5時)。入場無料。関連で町内の軽井沢ニューアートミュージアムで29日まで、蔡さんの油絵約30点を展示している(火曜定休)。(長野県、信濃毎日新聞社)


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