上伊那郡南箕輪村久保の堀喜夫さん(64)が、「ねんりんピックよさこい高知2013」の美術展工芸部門で銅賞に選ばれた。長野県からは6部門に12点の出品があり、唯一の入賞。作品は、駒ケ根市中沢の市有形文化財「旧木下家住宅」を細やかに表現した切り絵で、10月26~29日に高知市で開かれるねんりんピックの美術展で展示される。 入賞作は縦約90センチ、横約70センチ。黒い紙を切り抜いて建物や草木の線を出し、裏に色紙を貼って色を付けた。制作当時、同住宅はかやぶき屋根のふき替え中で、屋根などに掛かったシートの微妙な陰影も表現した。明暗で立体感を出すため「色紙の量が膨大になり、作業も時間がかかる」。色の違う紙を隙間のないよう貼るのも苦労だ。 かつて伊那市の印刷会社に勤め、「切ったり貼ったりするのは慣れていた」。仕事を趣味に生かそうと、20年ほど前から自己流で切り絵を始めた。県内対象の「信州ねんりんピック」で昨年度、県長寿社会開発センター理事長賞を受賞。全国大会への出品となった。堀さんは「1年に2作品を完成できればいい方だが、受賞を励みに続けていきたい」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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