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ミツバチ減少との関連指摘の農薬 別の農薬使用を呼び掛け

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 ミツバチ減少との関連が指摘されるネオニコチノイド系農薬について、松本ハイランド農協(松本市)は今季、ミツバチを飼育している地域の農家に対し、ほかの農薬を使うよう注意を呼び掛けた。因果関係ははっきりしないが、欧州連合(EU)は一部を使用制限している。全農県本部によると、県内のほかの農協で同様の例は聞いたことがないといい、松本ハイランド農協は来季も同様の呼び掛けを続ける方針だ。  松本ハイランド農協によると、6月、管内の約千戸の農家に対し、各支所を通じ「可能な限りミツバチに影響の少ない薬剤を選択するようお願いします」と文書で通知した。文書には、ミツバチの飼育場所、受粉時期と作物、影響があるとされる農薬名などを記載した。同農協野菜特産課によると、昨年、管内でミツバチの巣箱入り口で大量死が確認されたためだ。ただ、呼び掛けによってネオニコチノイド系農薬の使用をやめた農家の数などは分かっていない。  農林水産省農薬対策室は「まだミツバチへの影響を証明するデータが十分に集まっていない。ネオニコチノイド系は、これまで使われてきた有機リン系に比べ、人体や水生生物への影響が少ない」と、EUのような対策に踏み込む意向はないという。  松本市内の養蜂家の男性は「巣箱の入り口でハチがまとまって死ぬ例が毎年続いている。ほとんど蜜を採集できない時期もあった」と言う。販売先の業者が数年前から蜂蜜に含まれるネオニコチノイド系農薬の残留量を調べており、残留があった場合は買い取らない姿勢といい、「行政主導でしっかり対策を打ち出してほしい」と訴える。  農薬とミツバチの関連を研究している愛媛大農学部の河野公栄(まさひで)教授(環境計測学)は「公的機関が養蜂業の被害の実態を把握し、問題が大きいようであれば、EUのような予防的な対応も必要になってきている」と指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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