「復旧に数カ月かかる可能性もある」。下伊那郡泰阜村のJR飯田線門島(かどしま)―唐笠間の線路内に土砂が崩れ落ちているのを、JR東海社員が見つけたのは昼すぎ。土砂は長さ約40メートルにわたり、量は約160立方メートル。担当者は、撤去には最低でも1週間かかる見通しと説明した。 飯田線ではほかにも線路下ののり面が崩れたり、土砂が流入した被害があった。 JR東海は17日からバスによる代替輸送を行うが、同郡天龍村の板倉恒夫村教育長は「(高校生の子どもがいる)保護者には、車で子どもを送迎するといった負担も出てくるかもしれない」と不安げに話した。 各地で交通が乱れ、松本駅ではJR中央東線の特急「あずさ」「スーパーあずさ」が始発から運休。長野・塩尻方面の篠ノ井線全線や大糸線の一部区間も運転を見合わせ、首都圏などに帰る観光客や登山者ら数百人でごった返した。 3連休を利用し夫婦で旅行中の東京都中野区の主婦佐々木麻衣さん(20)は「いつになったら帰れるのか。まさかこんなことになるとは…」。グループで北アルプス穂高連峰を訪れていた足立区の会社員河井勝磨さん(48)は「きのうのうちに戻っておけば良かった」と話した。 伊那市では、県道伊那駒ケ岳線の小黒川に架かる「つばめ沢橋」手前の道路が流失。同県道は中央アルプス西駒山荘への登山道に通じている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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