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県産果物 価格下落は回避 凍霜害被害のリンゴ・ナシ・モモ

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 4月の凍霜害で大きな被害があった2013年産のリンゴ、ナシ、モモの8月末までの平均単価(卸値)が、ほぼ平年(2008~12年産)並みで推移していることが25日、全農県本部(長野市)のまとめで分かった。凍霜害で実の表面が変色するなど品質の低下があった一方、夏場の高温傾向で果実の甘みが強まったことから単価が下落せずに済んだとみられる。同本部は本格的な県産果物の出荷時期を迎え、販売促進にも力を入れている。  同本部によると、8月末までの平均単価はリンゴ(1キロ当たり321円)が平年の同時期と比べて3円、モモ(同448円)は72円、ブドウ(同1220円)は77円それぞれ高かった。一方、ナシ(同303円)は8円安かった。その後の平均単価は、9月20日まででリンゴ274円、ナシは285円、ブドウ922円とそれぞれ下落したが、モモは1円上昇して449円。  全農県本部は、同日までの平均単価は平年との比較を集計していないが、同本部の片桐雅樹果実課長は「9月に入ってもモモは平年より高めで、他はほぼ平年並みの値が付いている。今年は味に助けられている」と話す。凍霜害の影響で実の表面が変色する「サビ」や変形などが例年より多く見られたが、夏の高温で果実の甘みが引き出されてカバーした格好だ。  同本部は全国のスーパーでの試食販売に力を入れ、消費者に信州産果物のおいしさを実感してもらう方針。サビや変形がある実は同本部が引き取り、少量ずつ箱詰めして関東や関西などの生協に割引価格で販売する計画だ。  一方、果物の出荷量は前年を下回る品種が目立つ。同本部によると、県内農協取り扱いの出荷量(9月20日まで)は、ナシの「幸水」が前年同期比10・1%減の約2400トン、モモも17・5%減の約6350トン。わせリンゴの主力「つがる」は4・4%増の約9500トンだが、残りの出荷量見通しが少なく最終的に昨年を下回る見通しだ。開花と降霜が重なった中南信地方のナシ「南水」は今後、出荷が本格化するが、花芽が黒く変色し、実が少ない状態という。  県農政部がまとめた4月の凍霜害の農業被害は総額35億6200万円(5月末時点)で、リンゴやナシなどの果樹被害は計33億4千万円。一方、同本部によると、2012年度の果物の取扱高は約355億円だった。(長野県、信濃毎日新聞社)


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