号砲とともに、15チームの選手が飛び出した。曇り空の下、16日に始まった第62回県縦断駅伝。初日のゴールとなる岡谷市役所まで仲間の汗が染み込んだたすきをつなごうと懸命に走る選手に、沿道から声援が飛んだ。 午前8時の長野市の気温は4・8度。コートやダウンジャケットを着込んだ観客がスタート地点の信濃毎日新聞長野本社前に集まり、各チームを激励する横断幕が並んだ。長野市柳町中学校吹奏楽部の35人がスポーツアニメのテーマ曲メドレーなどを演奏して雰囲気を盛り上げた。 飯田下伊那地方出身の県職員でつくる「竜峡会」の約20人は、飯田下伊那チーム第1走者の松下拓磨選手に「フレー、フレー、下伊那」とエールを送った。父親が下伊那郡高森町出身の中塚光希君(11)=長野市三本柳小5年=が音頭を取った。「優勝してほしいという気持ちを込めた」 2区から3区につなぐ千曲市八幡の武水別(たけみずわけ)神社前の中継所では約120人が応援。午前9時半前に全佐久を先頭に選手が姿を現すと「ラストだ」「頑張れ」と励ました。毎年応援に訪れるという同市桑原の農業宮本多喜男さん(75)は「少しでも早くたすきを渡そうと頑張る様子がいい。きょう、あすと一生懸命走ってほしい」と願った。 連覇を目指す上田東御小県チームの地元、上田市役所前の中継所では、チームカラーのオレンジ色の紙を持つ住民らが選手を待った。紙は市陸上競技協会やチームOB会などがA4判の約100枚を初めて用意。午前10時40分すぎ、同チームが1位で通過すると大きな拍手が起きた。毎回応援しているという上田市古安曽(こあそ)の塩入久徳さん(70)は「予想通りのトップ通過で良かった」。市内の小中学生のチアリーディングクラブ「上田エンジェルス」の49人も元気いっぱいの演技で応援した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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