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県建設業厚年基金元事務長、AIJに21億解約要求

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 県建設業厚生年金基金(長野市)の資産を着服したとして業務上横領の疑いで逮捕された同基金元事務長坂本芳信容疑者(56)が、当初21億9千万円とされた同基金の使途不明金が発覚する直前の2010年7月ごろ、資産運用先の一つだったAIJ投資顧問(現MARU)に、委託資産のうち21億円分を解約して現金化するよう求めていたことが16日、分かった。  同基金など全国17基金の年金資産消失事件で詐欺などの罪で公判中のAIJ前社長浅川和彦被告(61)が、信濃毎日新聞の取材に証言した。この委託資産の解約要請は、基金の資産管理を事実上1人で行っていた坂本容疑者が判断したとみられ、浅川被告は「帳簿を操作し、不明金を埋め合わせしようとしたのではないか」と話している。  県警は業務上横領容疑の捜査とともに、坂本容疑者が行っていた資産運用の実態解明を進めており、不明金発覚直前のこのやりとりに関心を寄せている。  浅川被告によると、10年7月ごろ、坂本容疑者から、AIJ傘下のアイティーエム証券の営業担当者を通じ、「21億円を返してほしい」と申し入れがあった。同額の資産を解約し現金化することで合意したが、坂本容疑者は同9月9日に行方不明となり、不明金も発覚した。その後、基金とAIJが解約について協議したが、基金側は21億円も解約する必要はない―として、9月30日、12億円分のみ現金化した。基金関係者によると、現金は加入事業者の退職者への年金給付に充てた。  加入者からの掛け金は毎月、基金の銀行口座に振り込まれ、事務費用を除く全額が資金を運用している大手生命保険会社へ送金されている。生保側は、08年8月と09年8月、ともに前年度の基金決算の取りまとめを助言した際、加入員数に比べて「入金が少なすぎる」と坂本容疑者に指摘していたが、基金の役員らには伝えられていなかったとされる。10年8月にも生保側はあらためて指摘。坂本容疑者のAIJに対する解約の要請はこの直前だった。  基金はAIJに65億円を委託したが、年金資産消失事件を受け、11年度決算でほぼ全額を損失処理した。  一方、県警は16日までに、坂本容疑者が横領した金を、遊ぶ金や個人的投資などのほか、それに伴う交通費にも使っていたことを確認した。(長野県、信濃毎日新聞社)


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