「縄文」をテーマにしたまちづくりを議論している茅野市の「縄文プロジェクト推進市民会議」は、市内に点在する縄文遺跡群を世界遺産に登録できないか、研究を進めることを決めた。座長の柳平千代一市長は取材に、縄文プロジェクトの推進役として来年度、「まちづくり戦略室」(仮称)を庁内に新設する考えを明らかにした。 市民会議は会社経営者や大学教授、市尖石縄文考古館の職員ら20人で8月に発足。国宝の土偶「縄文のビーナス」が出土した棚畑遺跡や国特別史跡「尖石遺跡」など、市内に数多い縄文遺跡や遺物を観光や教育の振興に役立てる方法を考えている。 18日夜の会合で事務局の市は、北海道、青森、岩手、秋田の4道県が連携し、縄文遺跡群の世界文化遺産登録を目指していることを説明。委員からは「日本の縄文遺跡群として、一緒に登録を目指すべきではないか」「茅野市を中心に近隣県と連携して登録を目指せば、インパクトがある」といった意見が出た。 柳平市長は「本当に世界遺産登録を目指すなら、県を巻き込んだ活動にしないといけない」とし、十分な準備の必要性を強調。その上で「非常に意味のある取り組みだ」とも述べた。 まちづくり戦略室は、来年度の機構改革で企画総務部内に設置予定。室長を含め4、5人の職員を置き、縄文プロジェクトのほか、市が検討中の「災害に強い支え合いのまちづくり条例(仮称)」や白樺湖畔の廃屋対策などの課題に対応する。 市長は「世界遺産登録を目指すには、市としてもさらに調査が必要。戦略室はこうした課題に対応できる部署にしたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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