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ライチョウ飼育、大町で再び 山岳博物館が2014年度から

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 大町市は19日、市大町山岳博物館の付属園で2004年から中断していたライチョウの飼育を、市制60周年記念事業の一環として来年度から再開すると発表した。絶滅が心配されている国特別天然記念物ニホンライチョウの近縁亜種スバールバルライチョウの飼育繁殖から再開し、環境省などと調整を図った上で、18年にはニホンライチョウの飼育繁殖の再開を目指す。約40年間積み重ねた技術が保護のために再び生かされることになった。  同館は、1963(昭和38)年からニホンライチョウの飼育を始めた。国内唯一の低地飼育で、自然繁殖にも成功して5世代目まで誕生するなど291羽の飼育実績がある。しかし、04年に最後の雄1羽が死んでからは、本館の耐震化工事を優先するなどした予算の都合もあって飼育を中断した。  その間、08年には、上野動物園(東京)がニホンライチョウ繁殖の技術育成のために北極圏原産のスバールバルライチョウの飼育を開始。10年には、長野市茶臼山動物園や富山市営動物園も飼育を始め、自然繁殖に成功。現在、国内6施設で飼育され、山岳博物館も助言などで研究に参加している。  大町市は来年度に約4000万円でライチョウの飼育舎3棟を建て、15年2~4月につがいを上野動物園か富山市営動物園から導入する。  山岳博物館でスバールバルライチョウを飼育するのは初めてだが、ニホンライチョウの飼育に約30年間携わってきた宮野典夫館長(62)は「データだけでなく、言葉では言い表せない技術もある。不安を拭い去るだけの力はある」と自信を示す。来年度から飼育員を1人増の4人態勢とし、宮野館長らが指導する。  牛越徹大町市長は「山岳文化都市宣言をした大町にとってライチョウは大事な研究テーマ」と強調。茶臼山動物園の須田哲園長(59)は「ニホンライチョウの保護に向けて非常に頼もしい」と歓迎していた。(長野県、信濃毎日新聞社)


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