Quantcast
Channel: 信濃毎日新聞
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

塩尻署員の偽証容疑事件 県警、画像管理会社に謝罪

$
0
0

 塩尻署刑事課捜査員ら(当時)による公判での偽証容疑事件で、県警が、犯人が下着を持ち去る様子を映した防犯カメラの画像を管理する会社に謝罪に訪れていたことが25日、会社側への取材で分かった。基になる画像は今も同社で保管しているという。  この事件は、塩尻署に逮捕され窃盗罪で起訴された塩尻市内の会社員男性(40)=無罪=の今年1月の公判で、証人として出廷した塩尻署刑事課主任だった男性巡査部長(33)が、防犯カメラの画像を記録したCD―Rを署内で紛失したのに、カメラを管理する会社に返した―とうその証言をしたとされる。当時塩尻署刑事課所属だった、課長の男性警部(41)、係長の男性警部補(46)と共謀したとして偽証容疑で書類送検された。  防犯カメラの管理会社によると、6月ごろ、県警本部と塩尻署幹部らが訪れ、証拠品を紛失していたことを説明し、謝罪。会社側はこの時初めて紛失の事実を知ったという。  県警の発表では、昨年12月、紛失した巡査部長が会社を訪れ、CD―Rは返却して破棄したことにしてほしい―と依頼したとされる。この点について対応した同社社員は「明確に頼まれたかは覚えていない。口裏合わせという感じではなかった」とした。  また同社によると、証拠品の基となった画像は現在も社内で保管している。同社社長は「(3月の)無罪判決の報道で証拠が(署員が接写した)デジカメの画像だけだったということを知り、不可解だと感じていた」と話している。 <証拠品一元管理へ>  県警の公判偽証容疑事件で、書類送検された当時の塩尻署の男性巡査部長(33)が紛失したCD―Rは、書類上、任意で提出を受けて関係者に返却していたことにしていた。巡査部長は、証拠品として扱うと手続きや署内での管理に手間が掛かると自身で管理していたところ紛失した。県警は規範意識を欠いた行動を重く見て、証拠品管理をあらためて徹底する一方、長期未解決事件の大量の証拠品を一元管理する拠点を設けるなどの対策を取る。  県警刑事企画課によると、事件の証拠品は各署ごとに保管する。ある捜査員は「事件によっては証拠品が100点以上に上る場合もある。それぞれ書類を作らなくてはならず、手間は掛かる」と話す。事件が解決して所有者に返却されるなどの場合以外は、そのまま保管している。  県警は今年1月から、各署で証拠品の紛失などがないよう、複数の証拠品を専用の容器でまとめる仕組みを始め、管理の徹底を図ったつもりだった。しかし、無罪判決の背景に証拠品のずさんな取り扱いが明るみになり、岩崎孝作刑事部長は、「証拠品の扱いをより慎重にし、管理を徹底していきたい」とする。  2010年の改正刑事訴訟法で殺人などの時効が廃止され、証拠品の保管はより重大な課題となっている。県警は、証拠品を一元的に管理する「証拠品集中保管庫」を上田市上丸子の依田窪庁舎と上伊那郡辰野町の南信機動センターに設置する改修工事を進めており、来年度から運用予定。改修費は約260万円。長期間未解決となっている事件の証拠品を主に収納する予定という。(長野県、信濃毎日新聞社)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7401

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>