台風30号で甚大な被害を受けたフィリピンに日本政府が29日派遣する国際緊急援助隊の医療チーム第3次隊(24人)に、県厚生連佐久総合病院(佐久市)救命救急センター医師の佐藤栄一さん(42)が参加する。医療チーム派遣事務局の国際協力機構(JICA)によると、1次隊(27人)と2次隊(29人)を含め、県内医療機関からの医療チーム参加は初めて。 佐藤さんが国際緊急援助隊に参加するのは、2009年のインドネシア・スマトラ島沖地震に続き2回目。佐藤さんは取材に「フィリピンの被災地では医療の手が届かない地域がまだあると聞く。自分の能力が生かせればと応募した」と説明。「今後の病院の支援活動に生かせるよう、体験を記録してきたい」と話した。 佐久総合病院は、被災したフィリピン・レイテ島の復興に向けて支援金募集などの活動を始めている。レイテ島には、同病院の故若月俊一名誉総長が目指した「農村医科大学」の理念を生かして開設されたフィリピン大学医学部レイテ分校があるが、台風で校舎などが壊れた。 JICAによると、今月15日に医療チームの1次隊がレイテ島タクロバン市で診療を開始。同月22日から2次隊が活動を引き継いでいるが、都市部から離れた町村部への支援が十分でないという。このため3次隊は、周辺村落への巡回診療を中心に活動し、12月12日に帰国予定という。(長野県、信濃毎日新聞社)
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