伊那市春富中学校で30日、同校合唱部の生徒が東京芸大大学院の学生から歌の指導を受けた。同市高遠町出身で、東京音楽学校(現東京芸大音楽学部)初代校長の伊沢修二(1851~1917年)を顕彰し、市内で毎年開かれている伊沢修二記念音楽祭の関連事業。生徒たちは発声方法や口の開け方、効果的な体の動かし方などを学んだ。 10人ほどの生徒たちは少人数のパートごとに分かれ、声楽や作曲などを学ぶ学生4人から丁寧な指導を受けた。学生が透明感のある歌声を部屋全体に響き渡らせると、生徒たちは感動の表情。合唱部長の2年北原里紗さん(13)は「歌の世界に引き込まれ、自分を忘れてしまう」。 指導した平山里奈さん(24)は「中学生にはとても純粋な感性、素直さが残っていて、一緒にやっていて楽しい」。伊沢修二との縁で伊那市を訪れたことに、「音楽は本来、人とのつながりや縁を大事にするもの。生徒と触れ合える機会を持ててうれしい」と話していた。 学生たちは1日には伊那中学校でも歌を指導をする。(長野県、信濃毎日新聞社)
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