諏訪市豊田上野地区で4日、ぱりっとした食感が評判の特産品「上野大根」の天日干し作業が始まった。1週間~10日ほど干した後、来年3月ごろまで漬け込んでたくあん漬けにする。地元農家8軒でつくる上野大根加工組合によると、今季は例年並みの2万7千本を出荷する予定だ。 この日は組合員16人が作業に参加。水洗いした大根を「井」の字形に組みながら干し場のビニールハウスにつるしていった。大根の長さは17~23センチ。実が引き締まり、上々の出来という。塩や砂糖、米ぬかの他、大根の風味を引き立たせるため柿の皮やナスの葉と一緒に漬け込む。 組合や市によると、上野大根の栽培が始まったのは約300年前の江戸時代。その後の交雑で形や大きさにばらつきが出たため、信大農学部(上伊那郡南箕輪村)などと原種の復活に取り組み、1995年に現在の品種「諏訪湖姫」を完成させた。 笠原巻治組合長(85)は「伝統の味を守り、春にはおいしい漬物を届けたい」と話す。販売予約は30日まで。問い合わせは信州諏訪農協すわこ営農センター(電話0266・57・2218)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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