歌舞伎俳優中村勘三郎さんの一周忌の5日、勘三郎さんが最後の舞台を踏んだ松本市のまつもと市民芸術館で、ドキュメンタリー「映画 中村勘三郎」が上映された。3回上映に計約600人が訪れ、温かい人柄をしのんだ。 松本市芸術文化振興財団が主催。病気療養後の2011年7月、約7カ月ぶりに同館で公演に復帰した際、地元住民による「お帰りなさい」などの寄せ書きを見て涙を流す様子などを追った。襲名披露で全国の芝居小屋を回ったり、食道がんの手術をする前に心境を語ったりする場面もある。 長野市の会社員、草深将雄さん(24)は、同館で上演された「平成中村座信州まつもと大歌舞伎」に農民役で出演し、勘三郎さんと同じ舞台を踏んだ。「一緒に舞台を作ろうと声を掛けてくれた。温かい人だった」と懐かしんだ。 会場には勘三郎さんの遺影が飾られ、上映後に来場者たちが手を合わせたり、記念撮影をしたりしていた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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