教育職員免許法違反があったとして、5日に県から2008~12年度の補助金の一部7100万円の返還を求められた松本市の学校法人「才教学園」の小松崇理事長は同日午後に松本市内で記者会見し、「速やかに返還することをお約束したい」と述べた。県も同日午後の記者会見で、返還までの利子や制裁金として、約1500万円と見込まれる加算金を合わせて請求したと明らかにした。 才教学園の山田昌俊・前理事長兼校長と松山治邦・元事務長兼教頭は11月、才教学園小、中学校(松本市)で必要な免許状を持たない教職員11人に授業をさせたとして、同法違反の疑いで書類送検された。県監査委員は10月、県が同法人に支出した補助金の一部の「相当額」の返還を求めるよう、阿部守一知事に勧告していた。 小松理事長は会見で、補助金の返還額と加算金を合わせた約8600万円全額を金融機関から借り、授業料などには転嫁しないとした。山田前理事長兼校長と松山元事務長兼教頭に負担を求めるかどうかについては、「理事会で判断する」と述べた。 県は才教学園への本年度の補助金の支給を停止していたが、違反状態の是正、適正な教育体制の構築、経営体制の刷新が図られたとして、違反があった1学期分を減額して来年3月に支給する。減額分は約700万円の見通し。 阿部知事は5日夕の取材に、返還請求額は「厳正に対応し、内部で慎重に検討した上で決めた」と述べ、「子どもたちの教育環境が確保できるよう取り組んでほしい」として才教学園の正常化に協力する考えを示した。違反を見逃した県職員に職務上の明らかな間違いはなかったとし、処分しない考えも明らかにした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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