県建設業厚生年金基金(長野市)の多額横領容疑事件で、長野中央署と県警捜査2課は6日午前、同基金の資金約1億3千万円を着服したとして業務上横領容疑で再逮捕した元事務長坂本芳信容疑者(56)=別の業務上横領罪で起訴済み=の身柄を長野地検に送った。 坂本容疑者は午前9時半すぎ、同署を出た。紺色のウインドブレーカー姿でフードをかぶり、うつむきながら同地検に向かう車両に乗り込んだ。 送検容疑は、事務長だった2010年5月10日、長野市内の金融機関で同基金名義の口座から約1億3330万円を引き出し、うち6240万円を横領、6月3日、約1億3268万円を引き出し、うち6820万円を横領した疑い。ともに、同基金で05年から10年の間に発覚した23億8730万円の使途不明金の一部。 同署などは今年11月14日、10年7月に同基金の資金6440万円を横領したとして業務上横領容疑で逮捕。同地検は12月4日、業務上横領罪で長野地裁に起訴し、同署などは同日、同容疑で再逮捕した。 捜査関係者によると、坂本容疑者は基金の投資先で巨額の損失を被った未公開株を扱う都内のファンド運営会社役員らの接待を受けるうちに「自分でも遊びたいと思い、横領を始めた」と供述。使途不明金について「すべて着服し、すべて使った」などと供述しており、同署などは裏付け捜査を進めている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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