諏訪郡下諏訪町の諏訪湖博物館・赤彦記念館は7日、江戸時代から続くからくり人形師の九代目玉屋庄兵衛(本名・高科庄次)さん(59)=名古屋市=を招き、からくり人形の実演会を開いた。湯飲み茶わんを運んだり、的に向けて矢を放ったりする精巧な動きに、約60人の来場者が驚きの声を上げた。 諏訪地方ゆかりの宮大工「立川流」の彫刻を紹介する企画展の関連イベント。立川流は、祭りの山車の彫刻も手掛けた。からくり人形も山車に載せられることが多い縁で、実演を企画した。 「茶運(ちゃはこび)人形」はぜんまいを巻くと、1畳ほどの距離をお茶を運んで往復。「弓曳童子(ゆみひきどうじ)」が矢をつかみ、1メートル余り先の直径5センチの的を射ると、会場は大きな歓声に包まれた。玉屋さんは、内部の歯車の動きを見せつつ「機械式時計と同じ仕組みの部分もある」「部品の木材は、硬さなどの特性を生かし、何種類も組み合わせる」と解説した。 来場した茅野市の牛山政幸さん(52)は「面白いのひと言。人形の表情や衣装、装飾も含めて日本伝統の芸術ですね」と喜んでいた。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧