駒ケ根工業高校(駒ケ根市)の情報技術、機械、電気全3科の2、3年生が、同校創立50周年記念で製作した電波望遠鏡が12日、同校中庭に完成し、太陽が発する電波の受信に成功した。協力した国立天文台野辺山太陽電波観測所(南佐久郡南牧村)の主任技術員篠原徳之さん(51)によると、高校生が電波望遠鏡を作ったのは県内では初めて。 電波望遠鏡のパラボラアンテナは直径1・8メートルで、高さ約2メートルの支柱に設置。脇の制御箱に電波の強度を観測する「検波基板」や駆動制御装置を収めてあり、アンテナの角度や向きは太陽の位置に自動で合う仕組みだ。受信した電波は、天体の様子を知るデータになる。 先端技術に触れ、科学技術への関心を高めようと、6月ごろから授業の一環で製作を始めた。機械科の3年生6人が支柱やアンテナ取り付け部分、電気科の3年生3人が配線、情報技術科の2、3年生9人が制御装置やアンテナなどを担当。同観測所にも通い、篠原さんの指導を受けた。 この日は支柱にアンテナを取り付け、部品を組み立てて稼働するかを確認した。見守った篠原さんは「優秀なものができた」と太鼓判を押した。情報技術科3年の芦部夢乃さん(17)は「宇宙分野に目を向ける貴重な経験ができてうれしい。達成感がある」と話していた。 同校は、より精度の高いシステムへの改良や別の電波望遠鏡の製作も計画。宇宙関連産業に触れる学習などで活用する。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧