JR東日本が2015年3月に金沢まで延伸する北陸新幹線(長野経由)に先んじて長野新幹線に投入する新型車両「E7系」が14日夜、試験走行のため、初めて県内入りした。15日以降、長野新幹線車両センター(長野市)―軽井沢間などを営業運転終了後の夜間に往復。来年3月中旬の東京―長野間の営業運転開始に向け、車両の性能確認や機器の点検を本格化させる。 E7系は東北新幹線区間で基本性能の試験をしてきた。14日は東京駅、大宮駅などを経て碓氷峠を越え信州へ。午後10時28分、流線形をした先端部と伝統工芸の銅器をイメージした銅色のラインが特徴の車体が、軽井沢駅のホームにゆっくりと入線した。 同駅では30人近い鉄道ファンがホームや橋上の自由通路で新型車両を出迎えた。「イラストで見た銅色は(車体に)合うのかなと思っていたけれど、実物は上品で落ち着いた印象。(最高級座席の)グランクラスに乗ってみたい」と、上田市保野の会社員柳沢敦也さん(43)。鉄道ファンや軽井沢駅に到着した長野新幹線の乗客らは、側面の電光板に「試運転」と表示された12両編成の新型車両に見入っていた。 その後、佐久平、上田の各駅にも停車し、15日午前1時20分、長野駅に到着。未明にかけて長野―軽井沢間で試験走行をした。 E7系の定員は934人。輸送人員は長野新幹線で1997年の開業以来運行しているE2系(8両・630人)の約1・5倍に増える。先頭車両にはグリーン車よりもさらにゆったりしたグランクラスが18席あるほか、「和」をイメージした内装も特徴だ。長野新幹線での営業運転時の愛称は「あさま」となる。 JR東日本と西日本はE7系の一般向け試乗会を来年2月7~9日に行う。3日間で長野発―大宮着は計2本、大宮発―長野着を計3本運行。17日まで両社のホームページなどで参加者を募っている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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