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炭焼きで生活の糧を 小谷に移住の男性、窯に初火入れ

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 北安曇郡小谷村の大網(おあみ)地区に移り住んだ前田浩一さん(43)=大阪府出身、北村健一さん(41)=栃木県出身=が、住民の協力を得て炭焼き小屋を造り、15日に初めて火入れをした。勤め先の少ない環境の中、自分たちの手で収入を得るのが目的。春から秋にかけて大網の農林業体験交流施設(来春完成予定)や田畑で働き、冬は炭焼きなどをして暮らしていくという。  2人は、50年以上炭焼きを続ける同村千国乙の山本国弥さん(78)の指導を受けながら、1カ月半かけて11月中旬に小屋を完成させた。手作りの窯は高さ、幅が約2メートル、奥行き約3メートルの大きさで、一度に約300キロの炭を焼き上げることができるという。  前田さんは2006年、北村さんは昨年に移住。2人は以前、今回小屋を建てた場所のすぐ近くにある民間野外活動教育学校で働いた経験があり、温かく迎え入れてくれた地域の魅力に引かれて住み始めたという。ただ、家族と一緒に生活していくには仕事が少ないことが課題だった。北村さんは「炭焼きなら、山に囲まれた環境を生かせるし、山林の整備につながる」と話す。  15日は山本さんや地元住民が火入れの手伝いに訪れ、2人と一緒に作業。雪に覆われた山々の間にもくもくと煙が立ち上った。山本さんは「村で本格的に炭を焼くのは自分だけ。技術を継いでくれてうれしい。頑張って」と激励。前田さんは、消臭剤など多様な炭の利用方法を考えて販路を開拓していきたいとし、「軌道に乗せて村での暮らしを充実させたい」と意気込んでいる。(長野県、信濃毎日新聞社)


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