県精神保健福祉センター(長野市)に2012年度に寄せられた「ギャンブル依存症」といったパチンコや競馬などのギャンブルに関係する相談が、統計を取り始めた04年度以降最高の117件に上り、同年度の約3・3倍に増えていることが15日、センターのまとめで分かった。センターは、仕事上のストレス発散の場として始め、のめり込んでしまうケースが少なくないとみており、悩みを打ち明ける場の活用を呼び掛けている。 センターによると、ギャンブル関連の相談が寄せられるようになったのは01年ごろから。統計を取り始めた04年度は35件だったが、07年度は50件を超え、12年度は統計開始以来、初めて100件を突破した=グラフ。 相談内容は「ギャンブルにはまって多額の借金を繰り返してしまう」といった趣旨の相談が多い。数百万円の借金があるとの内容が少なくないが、最高額で5千万円まで膨らんだ事例もあった。 ギャンブル依存症は、世界保健機構(WHO)の分類で精神疾患の一つに位置付けられている。家族や友人らにギャンブル代を無心するなど信頼関係を壊してまでも続ける場合はその症状とされる。 センターへの相談者は親や妻など家族が6~7割を占める。センターは家族グループを作って支援したり、家族が当事者への対応を学ぶ講座を開いたりしている。 センターの小泉典章所長は「ギャンブル依存症は病気という認識がないことなどから問題がなかなか表に出にくい。仕事や対人関係などのストレスからギャンブルにのめり込む人が多く、相談は増える可能性がある」と指摘。センターや県内各地の保健福祉事務所でも相談を受け付けており、関連機関を早めに利用するよう訴えている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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